溺愛総長様のお気に入り。
え?なに?どういうこと?
あたしが一番彼を知るって……そんなのあり得ないよ。
だって、もう関わりたくないんだから。
目を白黒させているあたしを見て笑う彼の顔は、暴走族の総長だなんて片鱗も見えない。
なんだか、さっきまでの態度とまるで違って調子が狂っちゃう。
みんなといるときは、殺気だらけで今にも殺されそうだったのに。
「あ、あの……どうして、あたし……」
その殺気が取り払われた分、少しはまともに話が出来るようになっていた。
でもなんですか?って最後まで言えない。
「どうしてって?」
不意に、腕をつかまれた。