溺愛総長様のお気に入り。
「そんなに怖がんなよ」
「あの、あたし」
ぞわぞわと何かがこみあげてくる。
「そっか、男ギライなのか。南里が言ってた」
うんうんっ。
知ってるなら、今すぐこの手を放して……っ。
「心配すんなって、そんなのすぐに俺が直してやるから」
軽く笑った煌さんは、つかんだ腕をさらに自分の方に引き寄せた。
ええっ!?
顔がさらに近づいて、無意識に下を向く。
「嫌いだと思って避け続けてたら、一生治んねぇよ?」
「やっ、と、特に直したいとか思ってないんで……」
「ダメ。困るから」
「いえ、困りませ──」
「俺が」
思わず隣に顔を振った。