溺愛総長様のお気に入り。


***


3時間目が終わった時だった。



「もう無理」



そんな言葉が隣から聞こえてきたのは。


……ここにいるのもいよいよギブアップかな?


そりゃあ、ずっと授業をさぼっていた人が1時間目からずっと教室にいるのはさぞかし大変だよね。


いちおう、寝ないで授業に参加してるみたいだし。


それだけでもすごいと思う。



「限界だわ」



後ろの席の南里くんにでも話しをしてるんだと思っていたから、あたしは次の授業の準備を進めていたんだけど。



「ねえ、聞いてんの?」



その声がストレートに飛んできたような気がして、思わず顔をあげる。


すると、それは間違いなくあたしに向かっていた。

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