溺愛総長様のお気に入り。
「あ、あの、次も授業あるので」
当たり前のことを、やんわりと伝えると。
「いいだろ。サボれよ」
軽く言うけど、白百合は進学校。
サボるなんて言語道断だよ。
って、元黒羽の男の子には通用しないよね。
「えっと……あたし、授業は真面目に出たいんです……」
逆らっちゃいけないってさっき聞いたばかりだけど、こればっかりはどうしようもない。
今までしっかり真面目にやって来て成績だって上位をキープしているし、サボるなんて汚点つけたくない。
サボりたければひとりで行ってよ~。
あたしを巻き込まないで~。
心の中で必死に祈り続ける。
「でも俺、眠ぃんだよ」
それと、あたしにどう……。
「愛莉の膝枕じゃないと眠れないから」
は、はいぃぃぃっ!?
「だから、来て」
「ちょっ……」
「行ってら~」
会話を聞いていた南里くんが、うしろからのんきに手を振ってくる。
いや、そんなことしてないで止めてよ!