溺愛総長様のお気に入り。


当の煌さんの耳にはまるで入ってないようでそっちに視線を動かすこともない。



「な、南里くんもなんか言ってよっ」



このままじゃ、ほんとにサボるのに付き合わされちゃう。


けれどそんな助けもガン無視で、面白そうに笑ってる南里くん。


む~っ。笑ながら傍観してるなんて卑怯だよ。


じゃあ最後の砦と思って千春ちゃんを捜すけど……トイレにでも行っているのか姿が見えない。


も~、肝心な時にどうしていないの。



「いいから行くよ」


「ちょっ、えっ……!」



味方のいないあたしには、逃れるすべなんてなくて。


簡単に腕をとられ、そのまま教室から連れ出されてしまった。

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