溺愛総長様のお気に入り。


そしてほんとにやって来てしまいました。


あやめ、二回目。



ここへ来るまでずっと腕をつかまれたままで、部屋に入ってようやく離された。


昨日はそんなに余裕がなかったけど、改めて部屋の中をぐるりと見渡す。


テレビに冷蔵庫、雑誌やマンガ、それからお菓子まで。


ポットもあり、カップラーメンを食べた跡もある。


応接室……のかけらもなく、いかにも高校生男子の憩いの場……という感じだ。


これじゃあ一日ここで過ごせるよね。



「突っ立ってないでこっち来いよ」



ハッ!


観察してる場合じゃなかった。


既に煌さんはソファで踏ん反り返っていて、そんなあたしをおかしそうな目で見ていた。

< 132 / 401 >

この作品をシェア

pagetop