溺愛総長様のお気に入り。
そしてほんとにやって来てしまいました。
あやめ、二回目。
ここへ来るまでずっと腕をつかまれたままで、部屋に入ってようやく離された。
昨日はそんなに余裕がなかったけど、改めて部屋の中をぐるりと見渡す。
テレビに冷蔵庫、雑誌やマンガ、それからお菓子まで。
ポットもあり、カップラーメンを食べた跡もある。
応接室……のかけらもなく、いかにも高校生男子の憩いの場……という感じだ。
これじゃあ一日ここで過ごせるよね。
「突っ立ってないでこっち来いよ」
ハッ!
観察してる場合じゃなかった。
既に煌さんはソファで踏ん反り返っていて、そんなあたしをおかしそうな目で見ていた。