溺愛総長様のお気に入り。


汗がぶわっと吹き出てくる。



「ひとりで放置されて、風邪引いたかも」



そして、ゴホンゴホンッ……と咳をする。


……!
なに、そのわざとらしいの!


朝から今の今まで咳ひとつしなくて元気だったよね!?



「なあ、どうしてくれんの?」



ずいっとさらに接近する顔面。


ち、近い。

だから近いってば……!



「いや、その……」



今まではここでひとりで寝てたんじゃないですか?
それで風邪ひきましたか?

……とは言えず、視線を泳がせると。



「ひゃっ」



顎をつかまれ、有無を言わせず瞳に煌さんが映りこむ。

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