溺愛総長様のお気に入り。


「ねえ」



グイッと覗き込まれたこの瞳に、逆らえる人はいるのかな。


少なくとも……。



「ご、ごめんなさいっ……」



あたしにはムリだった。



「素直だな」



またフッと表情を緩める煌さん。


こうやって表情を緩めれば、少しは警戒心もほどけるのに。

教室ではずっとムスッとしているのをもったいなぁなんて思う。



「それより……いつまで煌さんて呼ぶつもり?」


「え?」


「すっげー他人行儀じゃねぇ?」



他人行儀というか。

他人ですけど……。


このままずーっと他人でいいですけど。

< 136 / 401 >

この作品をシェア

pagetop