溺愛総長様のお気に入り。
「ねえ」
グイッと覗き込まれたこの瞳に、逆らえる人はいるのかな。
少なくとも……。
「ご、ごめんなさいっ……」
あたしにはムリだった。
「素直だな」
またフッと表情を緩める煌さん。
こうやって表情を緩めれば、少しは警戒心もほどけるのに。
教室ではずっとムスッとしているのをもったいなぁなんて思う。
「それより……いつまで煌さんて呼ぶつもり?」
「え?」
「すっげー他人行儀じゃねぇ?」
他人行儀というか。
他人ですけど……。
このままずーっと他人でいいですけど。