溺愛総長様のお気に入り。


「南里ばっかずりぃ」


「へっ?」


「"南里くん"って呼ばれてる」



ず、ずるいって。


その顔面から言わなそうな言葉が飛び出し思わず目を丸くした。


人前での煌さんと、ここでの煌さんは別人のような気がする。

ほんとの彼はどっちなんだろう。



「煌って呼んでよ」



拗ねたような甘い声。


耳元でささやかれたそれに、体がおかしな反応をする。


なんだか、くすぐったい……。


男の子って、乱暴で野蛮で……そう、暴走族の総長なんてその代表みたいなのに、彼を見ているとよくわからなくなってくる。



「やっぱ、"煌くん"って呼べよ。その方が甘えられてるみたいで嬉しい」



あ、甘え……?

甘えるつもりなんて全くないのに……。



「早く」



って言われても、恥ずかしいっていうか……。


もじもじしていると、とんでもない指令が下された。

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