溺愛総長様のお気に入り。
運転手さんは、黒いスーツにスキンヘッド。
この人も、鳳凰の一員だったりするのかな。
……暴走族なんて、高校生の遊びじゃないの?
なのにこんなに"ホンモノ"っぽい人がいて思わず身震い。
家を少し離れると、煌くんは演技が終わった役者のようにオーラが切り替わる。
いつものように黒々しいオーラを放ち、シートに深く背をつけ、きっちり絞められたネクタイを左右に振りながら緩めて──────シュル……っとほどいた。
……っ、
その姿があまりにも妖艶すぎて、目をそらしてしまった。
……なんだか、ドキドキする……。
「って、あのっ……なんなんですかこれは……」
そんな場合じゃなかった。