溺愛総長様のお気に入り。


運転手さんは、黒いスーツにスキンヘッド。


この人も、鳳凰の一員だったりするのかな。


……暴走族なんて、高校生の遊びじゃないの?


なのにこんなに"ホンモノ"っぽい人がいて思わず身震い。


家を少し離れると、煌くんは演技が終わった役者のようにオーラが切り替わる。


いつものように黒々しいオーラを放ち、シートに深く背をつけ、きっちり絞められたネクタイを左右に振りながら緩めて──────シュル……っとほどいた。


……っ、


その姿があまりにも妖艶すぎて、目をそらしてしまった。


……なんだか、ドキドキする……。



「って、あのっ……なんなんですかこれは……」



そんな場合じゃなかった。
< 146 / 401 >

この作品をシェア

pagetop