溺愛総長様のお気に入り。
「あ、あの……これは……」
「うちの車。送ってくから乗って」
そこには黒塗りの高級車が停まっていて、運転席から男の人がサッと降りると後部座席のドアを開けたのだ。
まるでお嬢様にもでもなったような待遇……って!
うちの車!?
煌くんって何者!?
まさか車で来たとは思わなくて違う意味でびっくりした。
「ほら、乗って」
煌くんに誘導されるがまま乗り込むと、当然のように煌くんも続いて乗り。
高級そうな黒革のシートに座りながら窓の外に目を向ければ。
笑顔で手を振るお母さんの手は、まるで貴族にでもなったような振り方。
……人相まで変わってるし。
「出して」
煌くんの合図で発車する車。