溺愛総長様のお気に入り。


「うわ~、泣いてる顔もそそられる~」



……あたし、騙されたんだ。


ここでようやく気付いた。


あの手紙に書かれたことは嘘だったんだ。


浮かれてのこのこ来てしまった自分を心底ばかだと思う。


そして、誰にも言っていないことを後悔した。


せめて、千春ちゃんには言っておけば良かった。なにかあったら言うように言われたばかりだったのに。


男ギライが治ったかもなんて錯覚だった。


やっぱり男の子は怖い生き物で、あたしにとっては敵以外の何者でもないんだ。


どうしようっ……!


ドアは閉められ、この密室の中にあたしと男5人というこの状況にパニックに陥る。



「可愛そうに。鷹柳に気に入られたばっかりに、こんな目にあって」



……煌くん?



「アンタ、鷹柳ファンから相当恨まれてるぜ?これ計画したのもそいつらだし。俺らのことを悪く思うなよ」

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