溺愛総長様のお気に入り。


煌くんファンの子があたしを……?


女の嫉妬は怖いって、千春ちゃんに言われたばっかりだ。



「わー、震えちゃってるよ」


「たまにはこういう初々しいのもいいな」



あたしの顎を掴んでいる男は舌なめずりをすると、もう片方の手で自分のシャツのボタンをすべて外していく。


やだ……やだよ……あたしどうなるの……っ。


だれか助けてよ……!


……誰か…………煌くんっ……。


なぜだか、脳裏に煌くんの顔が浮かんだ。


そのとき廊下が一気に騒がしくなって。

次の瞬間、ものすごい音とともにこの部屋のドアがぶち破られた。



「ああっ!?なんだあっ!?」



今まさに、あたしを押し倒そうとしていた男が振り返った途端、飛び込んできた黒い影に吹っ飛ばされる。


……!?



「てめえら何してんだ!!!」

< 179 / 401 >

この作品をシェア

pagetop