溺愛総長様のお気に入り。


クシャっと笑う南里くん。


今まで南里くんだけだったな。こうして普通に話せる男の子。

……煌くんに会うまでは。



「そんな俺と愛莉の仲だから聞くけど、さ」


「なに?」


「煌のこと、好きなの?」


「……っ」



何も警戒せずに質問を待ったあたしに、訪れた数秒後の衝撃。


ストーレートすぎる質問に動揺は隠せなかった。



「えっ、あっ……っとね……」



今更、寝ていて乱れた髪を直してみたりするあたし。


まさか、南里くんがそんなこと聞いてくるなんて思ってもみなかったよ。


どうしよう。なんて言おう。



「ごまかしたってバレバレ。何年愛莉のこと見てきたと思ってんの?」



ふっと鼻で笑うように言った後、気のせいかもしれないけどその顔は少し寂しそうに見えた。


……あ。
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