溺愛総長様のお気に入り。
しかも煌くんに喧嘩売りはじめて、あたしは大慌て。
なに?どんな話になっちゃってるの?
内容が内容だけど、なんだか目を逸らせなくて体を硬直させたままそんな南里くんに視線を送り続けていると。
「てことで、俺が病院に連れて行くから。じゃ」
あたしの目を見つめながら煌くんにそう告げ、半ば強引に南里くんは電話を切ったように見えた。
「ふう……」
そして一仕事終えたように、軽く息を吐く。
南里くんでも、煌くんの扱いは難しかったりするのかな、なんて思いながらほんとはそれどころじゃない。
ドキドキして仕方ない。
だって……今の……。
「ほんと煌の奴、なに考えてんだか」
スマホをズボンのポケットにしまいながらつぶやく南里くん。