ツインテールの魔法
麗は動揺が隠せなかった。
周りはなにを話しているのかわからなかった。
だけど、夏音は気にせず話を続ける。
「ありがとうくらい言ってよ、あんなのうーちゃんじゃない。あんなうーちゃん、嫌いだ。あのときはそう思った。……でもずっと考えて、違うって気付いた。あれは嘘だよね?」
夏音が尋ねても、麗は答えようとしなかった。
「もし嫌いって言われなかったら、お互い変に気を使って、話さなくなってたと思う。それこそ、仲直りも出来ないくらい。……なんて、根拠もない、ノンの憶測にすぎないけど」
そう言って笑う夏音は、どこか清々しいように見えた。
「そ、そうよ……そんな適当なこと……」
「夏音を嫌っていなきゃならないと言わんばかりに泣いていたのは、どこの誰だ」
紘に口を挟まれ、麗は顔を赤くした。
「ノンはバカだから。うーちゃんの気持ちなんて考えられなかった。うーちゃんも辛かったよね。……ごめんね、ありがとう」
麗は涙がバレたくなくて、後ろを向く。
夏音はそんな麗に抱きついた。
「うーちゃん、大好き」
二人だけの世界に入っているせいで、周りからどのような目で見られているかなんて、気にならなかった。
「……待ってよ」
そこで待ったをかけたのは、文化祭委員だった。