時のなかの赤い糸
「わ、わりいι」
永倉は、掴んだ手を離して余所を向いた。
「近藤さんがいいって言うんだから
いればいいんだよ」
「でも…」
「でもじゃない!
あ゛――!!女ってめんどくせぇ」
また、この男は失礼なっ
「おら、戻るぞ」
そう言って、もう一度強く手を繋いで遥は永倉につられ屯所に歩き出した。
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「ん―――…」
寝返りをうって目をパチッと開けると、そこには知らない男がいた。
「……きゃああぁぁあぁぁぁあぁぁあ!!」
遥の悲鳴に、永倉や土方や、他の浪士たちが刀を持って駆けつけた。
「…平助?」
永倉が声を上げると、みんな刀をおろした
「平助……?」
遥が布団を掴んで言うと、彼は子供みたいにニッコリ笑った