時のなかの赤い糸


「そろそろ隊に合流しましょうか」




遥が立ち上がると、永倉のことを見た



永倉と藤堂は子供みたいに水を掛け合っていて、遥が言うまで続けていた。



ゆっくり高台に近付いていく。



高台には隊士たちがきっと疲れきった体を癒しているのだろう。



向こうに水があったよ。と教えてあげよう、遥はそうウキウキしながら行くと、信じられない光景が高台に広がった。




燃える二条城と、高台に倒れる全部の隊士たち。



皆殺された訳でなく自害したものだった。



辺り一面に広がる赤い血。



「…………っ」




さっきまで笑いあって帰ったら酒を飲もうと言い合っていたのに。彼らはもういない。




遥はその場に座り込んでその様子を悔しそうに見ていた。





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