時のなかの赤い糸


「お前、綾野遥だろ?」



永倉に言われて遥は不思議そうに頷いた。

その時、また懐かしいあの声が頭の中に響いた。



―――久しぶり――――――

「あっ」

「ん?どした??」


――――あんたもよ、永倉遙――――

「え?俺?」



どうやら、その声は遥にも永倉にも聞こえているようだ。

―――――綾野遥。―――――

「なに?」

――――――そのバカ男よ―――――

「バカ男だと?!」


――ほら、すげに眉間にシワなんて――



遥は目を見開いた。
(様子も見られてたんだ…)


――――なんだってわかるわ――――

遥は心の声も聞かれていたことを思い出し苦笑を浮かべた。



――――たしかに、赤い糸は――――

―――永倉新八と遥を――――――

―――繋げようとしたわ―――――

――――――だけど途切れちゃった――


「はい?」

――――その永倉遙の体に―――――

――――入ろうとした新八の―――――

―――魂がどこかに行っちゃって――


「行っちゃってって……」

――――人には入ってないの―――――

――――新撰組の新八を――――――

―――今からタイムスリップ――――

―――――させるから、―――――

――――悪いけど――――――――

―――――探して頂戴―――――

――新八の魂――――――――――



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