時のなかの赤い糸
「そ、それっ!」
「出来るじゃんι」
刀を持った遥がビックリしたような表情を浮かべた。
遥からしたら、習ってもいなかった初めての刀を、見事に藤堂相手に交わしてしまった
そうゆうことなのだから驚くのも当たり前。
藤堂は、少しの安心でため息をはいた。
「わかる?遥はホントに新選組の隊士なんだよ?タイムスリップしてきたんだよ」
藤堂が遥の肩をガシッと掴んだ。
「思い出せない」
遥は泣きそうになるのを堪えて藤堂を見据えた。
心のどこかで何かが引っ掛かっているのに、何なのか全く分からなくてモヤモヤしていて気持ち悪い。
底なし沼にはまった気分。
〝新選組〟聞いただけで胸が高鳴るのは本当のこと。