時のなかの赤い糸
遥にはわからない。
ただ、じっとそれを聞く永倉は、遥を見つめていた。
「今のままでいい、遥。だけど歴史の最終回はもうすぐだと言う事を感じておけ」
小さく頷く遥
「俺が遥のために動けるのもきっとこれが最後」
「……え?」
坂本は立ち上がって首をコキコキ鳴らすと、遥と永倉に笑った。
「頑張れな」
颯爽と去っていく坂本の後ろ姿
「……遥、1人で抱えこむなよ?」
ギュッと永倉の腕におさまった遥は、また小さく頷いた
「遥、いい?」
「えっ?」
永倉の髪が遥の頬に揺れて、熱い感覚が首筋に走った。
「や、だめだよっ」
遥が永倉の肩をおしても、永倉の行為は止むことがない。
「こんなとこじゃやだ」
「そーゆーことするところだよ」
永倉は一度遥から離れると、ゴロンと遥を寝転ばした。