時のなかの赤い糸


部屋に入ると、永倉は腹と腕に布を巻いて、壁にもたれるように片足をたてて座っていた。




布は、きっと包帯のかわりだろう。




「さっきは原田さんと話していたようですが、呼んで良かったの?」




沖田が遥に畳をポンッと叩いて「座れ」と指示しながら言うと、




「はい」




遥はゆっくりその場に座った




「…原田と…話し…?」




遥は、沖田から視線をうつすと、そこには不機嫌そうに永倉が殺気を放っていた。




「何を話してた?」


「え………永倉さんの怪我のこと…とか」




恐る恐る言ってみると、永倉はさっきよりも殺気を放った




「あいつっ殺す!」




永倉事態、怪我のことは遥に知られて気を使われたくなかったから平気なふりをして



この部屋にも呼ぶつもりはなかったんだ




遥に心配をかけたくなかったから…





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