時のなかの赤い糸


―――――――ガツンッ!



原田は風呂の中に頭から落ちていった。



「な、永倉さん!」




ブクブクと原田はお湯の中で気絶している



永倉が着物のまま風呂場に来てくれたおかげで、なんとか原田に遥の裸を見られずに済んだが



「多分…バレました」



「だろうな…」




ため息まじりに永倉が遥にタオルを渡した。



「ま、原田はほっといても死にゃしねえから。まぁ風呂は上がれ」



「ありがとうございました」




永倉は風呂場を出ていった。



原田が目を冷ます前に出ようと思って、遥は急いで脱衣場に向かった。




「あ、永倉さん」




脱衣場を出ると、その扉のところに永倉が壁にもたれていた。



「おぅ、原田に念押しとかにきゃだからな。
手ぇだすなって

綾野。もう自分が女だって隠さなくてもいいぞ」



「え?」



「いずれわかることだからな」




永倉が言って遥は笑って頷いた。




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