時のなかの赤い糸
あたしは、いったいどうしたんだろう…?
だって、さっきまで学校の渡り廊下にいたのに
ここは、まるで江戸時代みたいな家がたくさんあって、遥は誰もいない大きな桜の木の下に、侍みたいな人の上に乗ってるって………
「いい加減おりろよデブ」
「はぁあ?!」
彼の物言いに苛ついた遥は直ぐに立ち上がるとツカツカとあてもなく歩きだした。
女の子にデブだなんて!!
今日は嫌なことばっかり!
遥はずっとずっと歩いて早く普通のマンションとかが出てくるのをひたすら探した。
通れば着物をきた人にじろじろ見られて、おかしいところがあるのか?自分の身形をうかがうけど、特におかしいこともないし。
歩き続けた遥は、もうクタクタで空は茜色をしていた。
もう日が落ちる時間なんだ。