時のなかの赤い糸


―――――――――ガタンっと音をたてて屯所の屋根に落ちた。



遥と山崎は急いで永倉たちがいる部屋を探した。



永倉たちは、近藤の部屋にいて、遥がしょうじを開けた時、永倉は床にへばりついて綾野が刀を向けていた。




「綾野っ」



永倉は驚きの声を上げて遥を見た



『誰かと思えば。
お前らは私の術にかからなかったのぅ』



鋭い刀が遥の喉に当たるくらい近くに突きつけられた。




「俺も忍や、んでこっちは未来からきとんねん」



山崎が刀を触らずに跳ね返した。



『未来からとな…
笑わせる』



刀をおろした綾野は、遥を見た



『なかなか面白くなってきた。
まだ殺すのは早かろう。
次を楽しみにしている。

この術を解くには、そなたが首の蝶に口付けすればよい』




そう言うと、綾野は瞬歩で消えていった。




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