時のなかの赤い糸


永倉は遥の頭に優しくキスをすると、遥を抱えて自室に向かった。




(大嫌いはさすがにキツかったな…)



永倉は遥の幸せそうな寝顔をじっくりみた


どちらかがいつ死んでもおかしくないこの状況で、しかも遥は未来から来た身分。




永倉の心の中で、硬く決心した


――何があっても綾野遥を守ろう――



と。



この何もわからない世界の中で、少女が自分の背中について来たことを。




自分を選んでくれたことを。



「永倉さ…ん…」




遥の自室の布団にゆっくり寝かすと、遥は寝言を言った



永倉はフッと笑いながら部屋を後にした。





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