時のなかの赤い糸


(こ…恐…)



遥はその様子を見て、必死に稽古に取り組んだ。



それは皆も同じで、原田も藤堂も冷や汗流しながら木刀を降った。




「うわっ」
「う゛…」



そんな中で一際目立ったのは沖田だった。



見事な剣捌きに皆は圧倒して物も言えなかった。



(すごい…沖田さん)



「止まるな!!稽古に集中しろ」



土方の鋭い声に、みんなビクリと肩を揺らしてまた稽古を始めた。




「綾野。永倉」


「「はい」」



びっくりして声を合わせると、土方は「ちょっと」と二人を呼んで稽古場の外に出た。



土方の前で、永倉と遥は並んで立つ。



「二人は恋仲だろう?」



(え?!いきなり…)



土方の質問はまた驚くものだった。




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