~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ-
「そんなもん……倒せるのか……てか進むの?」

 額に冷や汗を流し、麟紅が呟いた。さすがの藍奈もこの状況では見栄を張っていられないようだ。

「む、むむむ無理よ! 生身の人間がドラゴンに勝てるわけがないわ!!」

「別に勝つ必要ねぇし」

 カーキーはため息混じりで二人の問いに答えた。

「忘れたのか? 俺らの最終目的は『未完成の賢者の石』の回収。っつーか東鳳院先生をそこまで送り届けることだ。強制イベントじゃねぇんだから、何も倒す必要なんてねぇしスルーで全然構いやしねぇ。用が済んだらさっさとおさらばすれば問題なし」

「そうですね。もとよりドラゴンなどの大型種は動きが鈍いですし。“倒す”のではなく“逃げる”のであれば問題はないでしょう」

 カーキーに続き、煽烙も笑って頷いた。朽葉が「それじゃったら罠(トラップ)にならない気がするでござるが……」と呟いたが二人は聞いていない。

「どの道依頼は達成しねぇと。わかったらさっさと行け」

 とん、とカーキーは灯りを持つ藍奈の背中を押した。藍奈が不機嫌そうな顔をカーキーに向けたが、当の本人は見ていなかった。
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