~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ-
煽烙の顔が、驚愕に歪んだ。
「帝の……竜だと……」
“帝の竜”は悠然とその場に立ち尽くし、男を見据えていた。
「そんな馬鹿な……なぜそんな体の中に竜の王がいる……」
「この少年は選ばれた者だ。私の力にふさわしい、選ばれし体なのだ」
そう言うと帝の竜は右手を横に上げた。
パチン、と指を鳴らした瞬間、後ろで苦痛にもだえていた藍奈と茜にかかっていた重力強化の口訣が解かれた。
二人が、床に崩れるように倒れた。
「な……! そんな馬鹿な!! お前! 何をした!!」
怒りに我を忘れ詰め寄る煽烙に、しかし冷静に帝の竜は答えた。
「私はすべての竜を使役する者。すなわち私の力は……“竜王術(りゅうおうじゅつ)”」
「そ、そんな……馬鹿な……伝説の術式……“竜王術”……?」
この世には、三つの竜が存在する。
一つは“生物としての竜”。
一つは“魔力としての竜”。
一つは“災害としての竜”。
すなわち竜王術とは、この世に存在するありとあらゆる“魔力(竜)”を、竜という形で使役し、あらゆる災いを起こす力なのである。
そもそも魔法とはこの世に存在する魔力を個々の術式により別の力に変換することによって成立する。
しかし、竜王術は、魔力をそのまま、変換せずに力にする魔法である。
それはつまり、術式速度、形成能力、発動効果、すべてにおいて最強の魔法なのだ。
「帝の……竜だと……」
“帝の竜”は悠然とその場に立ち尽くし、男を見据えていた。
「そんな馬鹿な……なぜそんな体の中に竜の王がいる……」
「この少年は選ばれた者だ。私の力にふさわしい、選ばれし体なのだ」
そう言うと帝の竜は右手を横に上げた。
パチン、と指を鳴らした瞬間、後ろで苦痛にもだえていた藍奈と茜にかかっていた重力強化の口訣が解かれた。
二人が、床に崩れるように倒れた。
「な……! そんな馬鹿な!! お前! 何をした!!」
怒りに我を忘れ詰め寄る煽烙に、しかし冷静に帝の竜は答えた。
「私はすべての竜を使役する者。すなわち私の力は……“竜王術(りゅうおうじゅつ)”」
「そ、そんな……馬鹿な……伝説の術式……“竜王術”……?」
この世には、三つの竜が存在する。
一つは“生物としての竜”。
一つは“魔力としての竜”。
一つは“災害としての竜”。
すなわち竜王術とは、この世に存在するありとあらゆる“魔力(竜)”を、竜という形で使役し、あらゆる災いを起こす力なのである。
そもそも魔法とはこの世に存在する魔力を個々の術式により別の力に変換することによって成立する。
しかし、竜王術は、魔力をそのまま、変換せずに力にする魔法である。
それはつまり、術式速度、形成能力、発動効果、すべてにおいて最強の魔法なのだ。