~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ-
「フハハ! 最高だ! 今私は竜王と戦っている!! こんな経験は一生に二度とあるまい!!」
高々と笑いながら、煽烙はスーツのジャケットから黒い何かを取り出した。
鉄扇、という、武家時代に護身用として用いられていた暗器。
「貴様に二度目はない!」
帝の竜が、右掌を突き出した。
しかし煽烙はそれを鮮やかにかわし、帝の竜の懐にもぐりこむ。
「魔法が通用しないのなら! 武器に頼ればいいことです!!」
煽烙の鉄扇が、帝の竜を下方から抉る。が、すでにそこには帝の竜はいない。
危機を察した煽烙は、わずかに体を右に傾けた。傾ける前の煽烙の肩があった位置を、帝の竜の低掌が突き抜ける。煽烙のワイシャツの肩口が焼け、肩がむき出しになった。
帝の竜の右目が、黄水晶(シトリンカラー)に輝いていた。
「そうでしたね。予知眼があったのを忘れてましたよ」
煽烙は後ろに飛び、距離を開ける。
「この少年の体は、本当に使い甲斐がある」
一度握り締めた右手を広げ、もう一度閉じる。
その様子を眺め、煽烙は口を歪めた。
「でも知ってますか? 予知眼は“人の未来を見る”のではなく“空間の未来を見る”ということを」
瞬間的に、帝の竜の視界から煽烙が消えた。
遅れて顔を右に傾けると、顔があった位置を煽烙の鉄扇が扇(あお)いだ。
紅い髪が大胆に切られ、何本もの髪の毛が地に落ちた。
「惜しい……」
煽烙の笑い顔が見えた。
高々と笑いながら、煽烙はスーツのジャケットから黒い何かを取り出した。
鉄扇、という、武家時代に護身用として用いられていた暗器。
「貴様に二度目はない!」
帝の竜が、右掌を突き出した。
しかし煽烙はそれを鮮やかにかわし、帝の竜の懐にもぐりこむ。
「魔法が通用しないのなら! 武器に頼ればいいことです!!」
煽烙の鉄扇が、帝の竜を下方から抉る。が、すでにそこには帝の竜はいない。
危機を察した煽烙は、わずかに体を右に傾けた。傾ける前の煽烙の肩があった位置を、帝の竜の低掌が突き抜ける。煽烙のワイシャツの肩口が焼け、肩がむき出しになった。
帝の竜の右目が、黄水晶(シトリンカラー)に輝いていた。
「そうでしたね。予知眼があったのを忘れてましたよ」
煽烙は後ろに飛び、距離を開ける。
「この少年の体は、本当に使い甲斐がある」
一度握り締めた右手を広げ、もう一度閉じる。
その様子を眺め、煽烙は口を歪めた。
「でも知ってますか? 予知眼は“人の未来を見る”のではなく“空間の未来を見る”ということを」
瞬間的に、帝の竜の視界から煽烙が消えた。
遅れて顔を右に傾けると、顔があった位置を煽烙の鉄扇が扇(あお)いだ。
紅い髪が大胆に切られ、何本もの髪の毛が地に落ちた。
「惜しい……」
煽烙の笑い顔が見えた。