~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ-
本当のことを話せば、怖かった。
イギリスのウェールズにある、魔法学校の最権威、ウェールズ魔法学院。
幼い頃にそこに入学し、類まれな才能で二年生飛び級し、飛び級した先でもトップの成績を保ち、ついには何十人もの年上がいる中で一番の成績のまま卒業した。
自分が一番だと思っていた。
それでも、この極東の地にいるおかしなカバラ魔術師に完全な敗北を喫し、世界の広さを教えられ、自分が井の中の蛙であったことを思い知らされた。
そう教えられた今さっきでさえ、目の前にいる仙術使いの道士に手も足も出なかった。
自分は無力だった。
だが、目の前の少年はいったい何なのだ?
つい先日まで、魔法の存在すら知らなかった少年。何の魔法も使えないのに、希少な予知眼を携えた少年。
そして、その少年は今、目の前で戦っている。
紅の髪、口から漏れる炎、腕にまとった業火、灼熱に焼けた獄竜眼……。
藍奈は魔法学院を卒業して初めて、恐怖を体験した。
生ぬるい怖さではない。本物の怖さ。
ギッ、と奥歯をかみ締め、小さく呟いた。
「御冠神楽リンク……。あんたはいったい何者なのよ……」
炎が、ホールを渦巻き舞った。
イギリスのウェールズにある、魔法学校の最権威、ウェールズ魔法学院。
幼い頃にそこに入学し、類まれな才能で二年生飛び級し、飛び級した先でもトップの成績を保ち、ついには何十人もの年上がいる中で一番の成績のまま卒業した。
自分が一番だと思っていた。
それでも、この極東の地にいるおかしなカバラ魔術師に完全な敗北を喫し、世界の広さを教えられ、自分が井の中の蛙であったことを思い知らされた。
そう教えられた今さっきでさえ、目の前にいる仙術使いの道士に手も足も出なかった。
自分は無力だった。
だが、目の前の少年はいったい何なのだ?
つい先日まで、魔法の存在すら知らなかった少年。何の魔法も使えないのに、希少な予知眼を携えた少年。
そして、その少年は今、目の前で戦っている。
紅の髪、口から漏れる炎、腕にまとった業火、灼熱に焼けた獄竜眼……。
藍奈は魔法学院を卒業して初めて、恐怖を体験した。
生ぬるい怖さではない。本物の怖さ。
ギッ、と奥歯をかみ締め、小さく呟いた。
「御冠神楽リンク……。あんたはいったい何者なのよ……」
炎が、ホールを渦巻き舞った。