あなたの名前は忘れたけれど。
嫌な予感はしていた。

的中だった。


その日、彼女は「相談して貰ったお礼」と言って僕の分までお会計を済まし帰って行った。


僕は彼女と反対方向へ歩いて家に帰る。

彼女の家の近所で飯を食っていて、少し遠い僕の家に帰り着いたのは、午後10時を回っていた。


フゥ…とため息を一つ零し、仕事用のカバンをソファに放り投げ、ハンガーに掛けようとしていたスーツもめんどくさくなってソファに放り投げた。


シワが出来たら別のスーツを着ていけばいい。

今日は何もする気が起きない。


そんな事を思いながら携帯をズボンのポケットから出した瞬間だった。


着信音が鳴り、携帯が震える。


嫌な予感がする。

だいたい、的中するんだ。僕の勘は。
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