キンダーガーテン四   ~私の居場所に~
階段を登りきると、沢山の人。

着物を着てる人、家族連れ………お友達やカップルの人も。

おみくじや絵馬をぶら下げていたり

甘酒を飲んでる人も。

「お酒は無理だけど、甘酒も??」

「どうだろう??
飲んだことない。」

「だったら、後で半分こして飲んでみよう。
先ずはお詣りね。」

列に並んで、順番を待つ。

「先生は、何をお願いするの?」と聞くと

「彼女が、早く『悠君』と呼べるようにかなぁ~」って

嫌みを言われちゃった。

そうだった、悠くんって呼ばないと。

「それは神様にお願いしなくても………頑張ります………。」

「だったら、唯ちゃんの幸せかな?
俺は、唯ちゃんといられて幸せだから
これ以上願い事はないからね。
唯ちゃんが泣かない日が、沢山有りますようにってね!」

どこまでが冗談か、分かりにくい先生のからかいを聞いていたら

いつの間にか、後少しで順番に………。

二礼・二拍手の後

「先生………じゃなかった………
悠くんの隣で、ずっと笑って過ごせますように。」と

お願いして………一礼をしたの。

「住所も言った??」

ええっ!!住所??

また、からかわれたと思っていたら………真剣に。

「沢山の人がお願いするから、神様に伝わるように
住所を言うのは当たり前なんだよ!!」と。

えっ!?真面目に言ってたの???

慌てて心の中で住所を伝えて

「ちゃんと伝えたよ。」と報告した。

「だったら、安心。
お守りを買って、甘酒を飲もう。」

手を繋いで、再び歩き始めると
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