カタヲモイ、解消シマス。


パフェを食べ終わった青葉は、


「理央ちゃんと約束してるので」と足早に店から出て行った。長居するつもりはなかったらしい。


「おい」


爽やかな表情から一転

マフィアみたいなマスターがこっちを睨む。


「なに」

「正体に勘づかれるようなこと言うな」


ああ、やっぱりさっきのパフェは

話題をそらすために運んできたんだねえ。


「怒らないでよ。仮に僕の正体がバレたとしてさ。マスターになにか影響ある? ああ、売上金が回収できないから困るの?」

「金の問題じゃねーよ」

「まだ営業中だよ。そんな怖い顔してたらお客さん逃げて帰っちゃう」

「万が一バレて。あの子が騒いだら。あの子に力を使うことになるだろ」

「んー、それが?」

「お前の生き方に口を挟むつもりなんざなかったが。あの子はやめておけ」

「なぜ」

「あの子だけには使うな」

「意味わかんない」
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