お前なんか×××！！！
…朝、仕事に行くために、６時には目覚ましがなるように設定してある。

しかも、二度寝する恐れがあるので、ベッドに携帯アラームと目覚まし時計。

テーブルの上に、もう一つ目覚まし時計が置いてある。

６時になり、二つの目覚ましが、同時になる。

一つはなんとか止められたが、もう一つが止められない。

動けないのだ。

私は重い瞼をこじ開けて、発狂する。

いつの間にか、ベッドの中に、仁が寝ていた。

寝ぼけて中に入ってきたらしく、私の発狂に耳を押さえて、やっと動けるようになった私は、もう一つの目覚まし時計を止めた。

そして、起き上がろうとしたら、仁に再び羽交い締めにされそうになり、私は思わず、仁のおでこを叩いた。

「もう！起きなさいよ仁！遅刻する」

それにようやく仁も重い瞼を開けた。

「もうちょっと、優しく起こせねぇのかよ」
「仁が私が起きるの邪魔するからでしょ？それに、さっさと起きないと、遅刻する」

「…俺の身支度は早いんだよ。お前と一緒にすんな」
「女は準備に時間がかかるのよ！」

再び仁のおでこを叩いた。

してやったりの顔をして、起き上がると、洗面所に向かうと、一気に顔が熱くなる。

「あんなにカッコ良かったっけ？寝起きの心臓には悪いわ。アイツの寝顔」

冷静を装っていたけど、内心心臓が飛び出しそうなほどドキドキしていた。

仁と居ることで、こんなになったのは初めてで、どうして良いかわからない。

私は勢い任せに、バシャバシャと顔を洗った。
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