お前なんか×××!!!
着替えを済ませ、化粧をすると、朝食を作り始める。

すると、その匂いにつられて、ようやく仁が起きてきた。

「そこ座って。私のわがままに付き合ってもらったお礼」

そう言って、出来上がった朝食を仁の前に並べる。

寝起きなのにも関わらず、美味しそうにパクパク食べる仁を見てると、なんだか可愛く見えてくる。

「…これじゃあ、同棲したての恋人」
「…ん?何?」

無意識にそんなことを口走った私は慌てて首を降る。

私は何をそんなに意識してるんだ?

仁は、私の天敵なのに。

「ご馳走さま、旨かった。片付けは俺が」
「い、いいから、仁はさっさと部屋に帰って身支度してきなさいよ、片付けは私がやるから」

そう言うと、さっさと皿の片付けを始める。

仁は、ポリポリと頭をかき、仕方なく立ち上がると、部屋に戻る。

「…なぁ」
「ん?なにー?」

「お前、これから独りで帰るなよ。帰るときは、必ず俺と帰るように」

「そんなの無理に決まってるでしょ?お互い、終わる時間が違うのに」

「俺が早ければ待つし、お前が早ければ、社内で待たす」

「何をバカなこと」

「痴漢に襲われたいなら別にいいけど」
「…?!…いや!いやいやいや!」

私の拒否反応に、仁は苦笑すると、またな。と言って、部屋を出ていった。

…それからと言うもの、仁は有言実行。

憎まれ口は健在だが、必ず一緒に帰ってくれた。
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