届かない想い・愛される喜び

7️⃣それぞれの想い


海音、咲桜、洋二・・・

海音は、花恋の乗って車が
立ち去ってもその場を離れられなかった。

咲桜は、
「あなたは、もっと
花恋を大切に思ってくれていると
思っていた。
小学校の高学年から
花恋を邪険にし
中学になると顔をみることもなくなり
高校生になると
まるで花恋にみせつけるように
彼女を作り、家まで連れてきたり
家の付近でイチャイチャしたり
家の中には、連れてきたこともないのに。
そこまでやらないといけないほど
花恋が邪魔?いえ、あなたにとって
煩わしい存在だったの?
大学になると家に殆んどいない
社会人になってあの日
花恋は、沢山バイトをして
楽しそうにあなたの
ネクタイとネクタイピンを
選んでいた。
着けてくれるかな?と
いいながら
だけど、あなたは着けるどころか
箱を開封することもなく部屋に
置いたまま一人暮らしを始めた。

花恋が傷つく言葉を言って。

あの日
花恋は、泣きつかれて寝てしまう程
泣いていた。

和真さんも真理亜も貴方を責める事も
なかったけど。
私は、たまらなかった。

イーサンが言ったように
人の気持ちは、誰が強制しても
動くものではないわ。
だけど、もっと良いやり方や言い方が
あったんじゃないかと。

あのときの花恋の泣き顔が
今でも頭の片隅にあって
あなたに意地悪をしたの
あなたの日常の少しの時間を
使わせたのよ。
花恋が知ったら怒るかしらね。」
と、言いながら
お袋は、家に入って行った。

海音は・・・

改めて母親に言われて
本当に自分の行動を嘆いた。

そして、自分の部屋に入り
クローゼットの中にある
包みを開けた・・・
センスの良いネクタイが二本
ネクタイに合わせたネクタイピンが
2つ入っていた。
そして、メッセージカード
『海音君へ
25才のお誕生日おめでとうございます。
            花恋』
俺は、それを大切に鞄に入れた。

『ありがとう。花恋
大切に使わせてもらうな」
と、一人言いながら・・・

洋二と咲桜・・・

「ちょっと、びっくりしたけど
花恋に大切な人が
出来て、本当に良かった。」
と、洋二が言うと
「うん、幸せになってほしい。」
と、咲桜と二人で話した。

それから咲桜は、真理亜に電話して
花恋の話を沢山した。
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