彼・・・私の天使。
レストランウェディング

1


 桜の花も咲き始めたばかりの三月の終わり。彼女のレストランは、きょうは貸しきり。

 そこには映画のワンシーンかと思ってしまいそうな凛々しい真っ白なタキシード姿の瞬と上品な淡いブルーの美しいウェディングドレス姿の詩織が居た。左手の薬指には生涯変わらない天使の愛が輝いて……。



 名古屋から瞬のご両親、お兄様、お姉様ご一家。

 可愛い姪っ子たちが
「ちい兄ちゃんのお嫁さんキレイ」

「そうだろう。ちい兄ちゃんが選んだお嫁さんだからね」



 詩織の両親の席には料理長とマネージャーが……。どっちが母親かで揉めたとか揉めなかったとか?

 牧場の社長ご夫妻は
「お招きありがとう。あなたの花嫁姿を見られて本当に良かったわ」

「お二人が幸せなのは良く分かりますよ」

「だから私が、お似合いだって言ったでしょう?」

「さすがだね。君の勘は素晴らしいよ」
 やっぱり素敵なご夫妻。


 玲子が
「幸せそう。ウェディングドレス、やっぱり綺麗よね……」

「君も着てみれば? きっと綺麗だと思うよ」
 ご主人の玲子を見る目が優しい。

「じゃあ、式を挙げましょう。決めましたよ」
 と社長の奥様が嬉しそうに。



 司法書士のボスも心からの笑顔で
「おめでとう。とっても綺麗よ。いつまでも幸せにね」



 きょうはレストランのスタッフ全員がスタッフでもあり招待客。お式も披露宴も出席してくださった全ての方々に感謝しながら進行された。

 美しい花々が会場を飾りスタッフの心のこもった料理が所狭しと並んだ。

 眩しく煌めくような幸せオーラがあふれてる本当に幸せいっぱいな花嫁花婿に誰もが心からの祝福の拍手を送っていた。

 人生の先輩からの素晴らしいアドバイスと友人の語る微笑ましいエピソード。

 スタッフの
「社長のプライベートな時間を邪魔しないように僕たちスタッフが全員で力を合わせて頑張ります」
 で拍手が起き

 天使のご両親は温かな言葉で締め括ってくださって感動の宴となった。
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