彼・・・私の天使。
親友


 あったかいミルクティーを入れてソファーでゆっくり飲んで、食欲はないし、まだ八時だというのにベッドにもぐり込んだ。ペットボトルの水と携帯を持って。
 少し眠ったところで玄関のチャイムの音……誰?

「どう? 気分は?」
 玲子だった。

「眠りかかってたのよ」

「それは失礼。何も食べてないでしょ? お鮨買って来たけど食べられそう?」

「食べるわよ……」

「だろうと思った。彼は?」

「ここまで送ってくれて、すぐ帰ったわよ」

「な~んだ」

「何を期待してるのよ?」

「別に。でも良い子みたいじゃない? 真面目そうだし優しいし気が利くみたいだし? 付き合っちゃえば?」

「どういう意味?」

「男と女としてっていう意味よ」

「まさか……。彼、二十七歳よ。ありえない」

「ありえるわよ。私、今二十五歳の子と付き合ってるよ」

「嘘~っ!」

「詩織に嘘言ってもしょうがないでしょ? 医学的にも平均寿命から考えても、女が年上の方が上手くいくのよ」

「玲子の自分勝手な医学論は、もういいわよ。ごちそうさま。美味しかった。お腹いっぱい」

「どういたしまして。お鮨なら入ると思って」

「さすが。付き合い長いからねぇ。頼もしい」

「だから私じゃなくて作りなさいよね。詩織の事、一番分かってくれる人を」

「そんなの、今さら面倒なだけよ」 
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