彼・・・私の天使。


 ランチの時間も無事終了。そして厨房は、ほとんど戦場か? という忙しさのディナーも。

 クリスマス・イブは終わった。
 お疲れさま。まだ数日間クリスマスムードは続くけれど。もうクタクタで帰宅。ゆっくりお風呂に入って温まってソファーで、まったりしていたら着信音。

「メリー・クリスマス。僕です」

「おかえりなさい。かな?」

「さっき帰って来たばかりです。冬休みなんで塾のバイトも忙しくて」

「そうねぇ、冬休みなのよねぇ」

 冬休みもクリスマスも、ずっと仕事が忙しいだけで過ごして来ちゃったのよね。もう何年も……。

「きょう、お店、忙しかったんでしょう?」

「うん。お陰さまでね」

「やっぱりダメだ。今から行きます」

「えっ? ちょっと……。今からって」

 携帯が切れた。何言ってるの? もう十二時近いのに。明日も忙しいのよ、私。忙しいのは天使も同じか。しばらくしてチャイムが鳴った。

「来ちゃいました」

「汗? どうしたの? 髪、濡れてる」

「シャワー浴びて乾かしてなかった」

「バカねぇ、風邪ひいたらどうするの? 早く入って」

 急いでドライヤーを取って来て天使をソファーに座らせ濡れた髪を乾かす。

「こんなに冷えちゃって……」

「あったかい」

「君が風邪ひいて塾の生徒さんに移したら大変でしょ?」

 天使の髪は自然な栗色? コシがあって、でも柔らかで、ふわっと乾いた髪の手触りとシャンプーの香りが心地好かった。

「はい。おしまい」

 眠ってる? 疲れてるのね。ドライヤーを片付けて戻ると

「眠っちゃいました。気持ち良かった」

 そんなに疲れてるのに来てくれたの?

「今夜、泊めてください。このまま帰ったら本当に風邪ひいちゃいます」

「風邪をひかないためだけなの?」
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