上司との同居は婚約破棄から
ふれあい広場はウサギやヤギなんかもいて、隅の方の囲いの中でモルモットのふれあいをしていた。
「行ってこいよ。」
私の鞄に手を掛けて荷物を持っていてくれるみたいだ。
モルモットにふれあう高宮課長を見てみたかった気もするけど、それをお願いするのはさすがに酷かなと思って荷物持ちを頼むことにした。
囲いの中に入ると膝に敷く布を渡されて、係の人がその上にモルモットを乗せてくれた。
小さくてぬくいふわふわが膝にちょこんと乗ってモゾモゾしている姿がなんとも可愛らしい。
「柵の外にいた人、かっこよくない?」
「紺のジャケットを着てた背の高い人?」
「そうそう。その人。」
隣に座った若い女の子2人組の会話が耳に入って、それって高宮課長では……と聞き耳を立てる。
「優しい顔で微笑みながら柵の中を見てたのがすごくいい!」
微笑みながら?
人違い?
「あれはきっと愛娘を見てるんだよ。」
愛娘……。
そっか。
いいパパさんが柵の外で見てるんだ。