【短編】魔法なんて、使わなくてもさ


この感情が『よくある恋愛』のような
壊れやすい偶然の魔法みたいな、

そんなちゃちな幻じゃないって信じたい。


何かもっと違う別の素敵なものだって信じたい。


そんな風に信じてたのに…


今年最後のカウントダウンの直前、


鈴木が突然言ってきた。


「あのさ、今、俺が好きって言ったらどうする?」


そんなこといきなり言われてもさ


なんて言っていいかわかんないじゃん。


私だって、

この感情が何なのかなんて分かんないんだもん。



そんなの…

魔法でも使わない限り、分かんないよ。


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