キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
「・・・ありがとう、りっちゃん」

肩を抱かれたまま、この上なく柔らかい微笑みに包み込まれて。

あたしこそ。ありがとう、ミチルさん。
それでも。理由がなんだったとしても。
この世でたった一人きりの、“家族”になってくれたこと。

胸が詰まって他に言葉が出て来ない。


麗らかな陽射し煌めく蒼天を。目を細めて、ミチルさんが仰ぐ。
追いかけて、吸い込む。澄んで音がしそうな空。

「隆弘の妹がりっちゃんで良かったよ」

不意に聴こえた、穏やかな響き。
前にも一度。あの時とは音色が違った。

見上げたまま、笑顔がほころんだ。
この上ない、幸せな気持ちで。


「・・・あたしも」



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