キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
「・・・どうして隠したの。淳人と会ったことを」

ことさら静かに問い詰め。・・・追い詰める手を緩めない。
ミチルさんのガラス玉のような眸は、赦しを乞うあたしを無感情に映して。

「僕に言えないのは、淳人が好きだから?」

「ちが・・・ッッ」

顎の下を掴まえられたままで、首を横に振ろうと捩る。
全身で否定して、小さく呻く。

「ミチルさんっ、あたしは・・・っっ」

「りっちゃん。二度は言わないよ。・・・選んで、今。僕か淳人か。それで終わりにしよう」


刺し貫いてる見えない刃が、彼の手で引き抜かれて。

そのままあたしの息の根が止まるのを待っているのか・・・とさえ。



『終わり』・・・・・・?

その一言が。あたしの頭の中を真っ白く染めた。



選ぶ必要なんて、どこにも。ない。
あたしハ。
ミチルさんイガイ、ナニモ。

ソレシカ、イラナイ。

ノゾマナイ。



だから。

「・・・・・・ミチルさんだけで、いいの・・・」

あたしのすべてを捧げる。と。

「・・・信じて・・・・・・」


聖なるバレンタインに懸けて。
無慈悲にあたしを見つめるその眼差しに。・・・・・誓った。
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