ビロードの背中

ツナイダテ

8畳の部屋の隅に、座布団に頭を乗せ藍色のはんてんを着て、

こちらに背を向けて眠っていた。

私は静かに自分の荷物を片付けた。



私は仕事から、勝手に出発時間を変更して眠ってきたけれど、

彼は今朝の6:30から起きていたのかもしれない。


私は彼の横に座り、寝顔を覗き込んだ。


“一緒に来てくれて、ありがとう――。”


短い髪も手伝ってか、初めて見た寝顔は少年のような美しさだった・・・。


ふっと、首のキスマークを思い出した。


“今の私からの向きだと、左側につけられる。


・・・つけてみようか。

バンパイアって、こんな気持ちなのだろうか――。”



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