12月の春、白い桜が降る。
一瞬しんみりした空気が流れてしまったせいか、ようが気を使ってくれたのか「ラムネでも飲もう」と誘ってくれた。

私はいいね、と答えてようの下手くそな瓶の開け方を見て笑った。

こんなに心から笑ったのなんていつぶりだろう。

私も気をつけて開けてみたけど、ようと同じように泡が吹き出して、また二人で笑った。

こんな時間が、ずっと永遠に終わらないで欲しい。

どうかずっと、ようの横で笑わせて欲しい、と、強く、強く、願った。
< 100 / 210 >

この作品をシェア

pagetop