12月の春、白い桜が降る。
辛い事があったにも関わらず、いつも前向きな彼女の姿を見て、

僕は中二の秋頃に山本さんに告白した。

その頃は、もう山本さんにそれほど惚れていたわけでもなかったし、

寧ろどちらかといえばひなたのほうに心は惹かれていた。

だが、自分の中でもとても好きになった人だし、

このまま煮え切らないで違う人を好きになるのはますます自分が嫌になりそうだったので、
けじめをつけるためにもはっきりと振られた。

辛かったわけでも、もちろん悲しかったわけでもなかった。

だけどなんだか、今まで頑張っていた自分が妙に可哀想に思えてしまい、少しだけ、泣いた。

それをひなたに伝えたら、ひなたは僕より泣いた。泣いたまま、僕に抱きついてきた。

当時の僕には一向に理解が出来ず、ただただ、混乱していたが、今ならわかる気がする。

きっと、自分も失恋の辛さを知っていたから、その感情を共有したのだろう。
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