12月の春、白い桜が降る。

山本 千夏子

生まれて初めて告白された。

同じ小学校だった、「冬郷くん」からだ。

彼からは小学校の頃から私のことが好きだという噂を聞いていた。

でもあの頃は、ずっと好きな人がいたし、彼はただの友達で、
これからもずっと、そうでいたいと思っていた。

誰かが私を好きだという噂は、何度か耳にしたことがある。

でも、今までちゃんと、私の顔を見て告白してくれた人はいなかった。彼が初めてだ。
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