12月の春、白い桜が降る。
中学に入ってからの彼は、一段と変わった。

とても明るくなっていて、素で笑っているように見えた。

その横にはいつも、女の子がいた。

その子の笑顔と彼の笑顔は、同じだった。

私はそれを見てすぐにわかった。

彼は、冬郷くんは、彼女に救われたのだと。彼女のお陰で、今の彼がいるんだと。
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