12月の春、白い桜が降る。
それから数週間、一人であのイルミネーションを見に行った。

去年と全くおなじ色で、光で、眩しさで。

彼女が冬が好き、と言っていたのを思い出し、自分の口から出た白い息を眺める。


確かに、冬は切ない。

彼女の言っていた言葉が、なんとなく頭に強く残っていた。

『来年の春さ、私、桜…見れるかな』

彼女は、間違いなく自分がもう桜を見ることは出来ないと確信していただろう。

______そして、僕も。

それを認めるのが、怖くて、たまらなかった。
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